仕込み42日目

5月20日。仕込みから6週間が経過しました。

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上からA(何もしない)、B(24時間振動付与)、C(断続的に振動付与)です。
色は赤みが消えて黒さが増した茶色で、匂いは酸っぱいのと燻した感じが混ざった匂いです。表面には泡が数個見られ、上7mmほどが一段濃いです。

さて、一昨日「ゴゴーッ」という音がなったB−3はどうなっているでしょうか???

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今日は、開けると「プュー」という、音になる前の破裂音みたいな音がしました。匂いを嗅ぐと、スーッとするアルコールのような匂いがしました。アルコール発酵が順調な証なのかもしれません。

今日は、週に一度の表面の高さの測定日です。
Aは2mm、変化なし、5mmでした。
Bは4mm、1mm、音のなったB−3は15mm増でした。
Cは1mm×2、3mmでした。

ん?15mm増?今まで1cm以上膨らんだことは一度もありません。お隣で醸造しているB−2と比べてみるとこんな感じです。

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こう並べてみると差が明らかですね。B−3は発酵が活発になって炭酸ガスの発生量が増え、諸味が膨張しているのだと考えられます。

仕込み40日目

♪タン タン ターン タンタターン タンタターン…

5月18日、仕込みから40日が経過しました。

今日のオープニングは、スターウォーズ「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」です。
理由は後ほど。まずはいつも通り、様子を見ていきましょう。

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上からA(何もしない)、B(24時間振動付与)、C(断続的に振動付与)です。

色は茶色、匂いは酸っぱい匂いと燻した感じが混ざっています。表面には10〜20数個の泡が見られ、上7mmほどが濃くなっています。

…とここまではお変わりありませんでした。

発酵が進むと炭酸ガスが発生します。炭酸ガスが諸味中に溜まると、微生物の活動が阻害されるなどの影響が出てしまうので、時々振ってかき混ぜる他に、1日1回1分間、ボトルの蓋を開けてあげています。

事件はこの、蓋を開ける時に起こりました。

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これは24時間音楽を聴かせて振動を付与しているBチームのうちの1つ、B−3です。
見た目は上に載せた3つとあまり変わりませんが、開けてみると…

 

ゴゴーッ

 

なんか鳴った??

 

ついにボトルが膨らみ始めたのです!!
今日の音は例えるなら、「ダース・ベイダーがマスク越しに喋るために息を吸うときの音」です。
匂いを嗅ぐと、アルコールのツンと酸っぱい香りがしました。

これはどういうことなのでしょうか?
仕込みから1ヶ月を過ぎると、まず乳酸菌が発酵を始めます。乳酸菌は麹菌の酵素によって小麦デンプンから分解された、グルコースを分解して乳酸を生成します(麹菌のことは「仕込み30日目」に書いています)。この発酵は乳酸発酵と呼ばれます。

乳酸発酵でできた乳酸によって諸味が酸性になると、酵母の増殖が始まります。酵母グルコースからアルコール類を生成します。この時、二酸化炭素もできます。このような発酵の仕方をアルコール発酵と言います。

つまりボトルが膨らんだのは、発酵が活発になったことで炭酸ガスが増えたから、ということになるでしょう。

ボトルが膨らむのを見るのが、私の醸造中の一番の楽しみです。

仕込み35日目

5月13日、仕込みから5週間が経ちました。

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上から、A(何もしない)、B(24時間振動付与)、C(断続的に振動付与)です。

色は茶色、匂いは酸っぱいのと燻した感じが混ざった匂いです。
表面には10〜20数個の泡が見られ、上7mmくらいが濃くなっています。

今日は週に一度の表面の膨らみ具合の測定日です。
Aは全てのサンプルで1〜5mm沈んでいました。
Bは2/3サンプルで5mmほど沈み、1つは変化なしでした。
Cは2/3サンプルで5mmほど膨らんでいて、1つは逆に5mmほど沈んでいました。(いずれも先週比)

さて、明日にも福岡県は緊急事態宣言が解除されそうです。先が見えて少しホッとしています。

仕込み34日目

5月12日、仕込み34日目です。

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上からA(何もしない)、B(24時間振動付与)、C(断続的に振動付与)です。

匂いは変わらず、酸っぱいのと燻した感じが混ざった匂いです。表面には10〜20数個の泡が見られます。

色がまた濃くなり、赤みが増してきました。上7mmほどは更に濃いです。

家にずっといるとよく分かりませんが、だんだん乾燥してきたようです。醸造部屋の湿度(前は80%を超えることも!)が50%を切る日も出てきました。

 

仕込み30日目

♪ハッピーバースデーショーユー

お醤油を仕込み始めてから1ヶ月が経ちました。

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上からA(何もしない)、B(24時間振動付与)、C(断続的に振動付与)です。

色がまた濃くなってきました。キャラメル色みたいです。

さて、この仕込みから1ヶ月間で醤油では何が起きているのでしょうか?
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上の写真の右上が、醤油の主な原料の「醤油麹」です。これは、蒸した大豆と炒った小麦に「麹菌」を繁殖させたものです。
麹菌は、タンパク質やデンプンを分解する酵素を持っています。醤油麹に食塩水を混ぜて仕込みをした時点で麹菌は死滅しているのですが、麹菌の酵素は諸味の中に残っています。

仕込みから1ヶ月ほどはこの酵素が活躍します。麹菌の酵素は、原料の大豆に含まれるタンパク質を旨味のもとのアミノ酸に、小麦に含まれるデンプンを甘味のもとのグルコースに分解するなどします。この分解によって、後々登場する乳酸菌や酵母(ともにグルコースを利用して発酵)が働きやすくなるだけでなく、醤油の味の成分も生成されます。

そしてこれから、発酵が活発になる様子も見られるようになると思います。楽しみです!!

仕込み28日目

5月6日。GW最終日ですが、緊急事態宣言延長でもうしばらく休校が続きそうです。

気を取り直して、お醤油は仕込んでから4週間が経過しました!

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上からA(何もしない)、B(24時間振動付与)、C(断続的に振動付与)です。

色は深みのある黄土色、匂いは酸っぱさと燻した感じが混ざっていて、表面には泡が数個〜二十数個見られます。

仕込み当初の色はこんな感じです↓

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この頃から比べると粒が見えなくなってどろっとしてきています。色も着々と濃くなってきています。

毎週恒例、表面の膨らみ具合を測定します。
Aは3サンプル中全てで表面が高くなっていました。
Bは2/3サンプルの表面が高くなっていて、1つは下がっていました。
Cも2/3サンプルの表面が高くなっていて、1つは下がっていました。(いずれも先週比)

変化の幅は今週も±1cm以内でした。

 

 

仕込み23日目

5月1日、令和になって丸一年経ちました。ちなみに去年のこの日は音楽を聴かせた日本酒蔵に見学に行っていました。

さてさて、仕込み23日目の様子です。

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上からA(何もしない)、B(24時間振動付与)、C(断続的に振動付与)です。

匂いに、もともとあった燻した感じに加えて酸っぱさが混ざってきました。
表面の泡は、毎日出ています。

 

福岡はだいぶ暖かくなってきました。観察用に醸造部屋の温度を毎日測っているのですが、昨日4月30日に初めて20℃を超えました!
暖かいと発酵も活発になるので、楽しみです。